日頃より「時計修理の千年堂」をご利用頂き、誠にありがとうございます。
今回は以前もご紹介させて頂いた、レーザー溶接機について取り上げます。
千年堂はお客様のお時計の不具合に対し、時計の内部修理や外装研磨だけでなく外装修理にも力を入れ、時計修理の守備範囲を広げようと取り組んでいます。その中でも、外装修理で特に最前線で活躍しているのがレーザー溶接機です。
レーザー溶接機は、金属が切断されてしまった断裂部分に切断部品を当て、そこにレーザーを照射して切断部品を溶接し、さらに細い棒の金属を切断部に当てレーザーを照射して補強し、もう一度接着させる治具です。今回は直近で発生した活用例を2件ご紹介させて頂きます。
1件は、クラスプ(バックル)の留め部の穴が長年の摩耗により削れて広がり、留めが緩くなりすぐクラスプ(バックル)が外れてしまうという不具合です。写真は少し分かり辛いですが、実際の部品で中央の受けの四角い穴が、摩耗により下に広がっています。
通常こういった部品は小さくても2万円以上の高額部品である場合や、そもそも部品入手が出来ず修理出来ないというケースも多々あります。こういった際は、レーザー溶接機の出番です。写真のように細い金属棒の補強材を摩耗で広がった穴に当てレーザーで溶接し、穴の広がった場所を埋めることが可能です。
穴を埋めた後は、軽く研磨することにより表面を馴染ませ、見た目に関してもナチュラルな仕上りとなります。
ちなみに、時計のケースを地面や壁にぶつけて発生した打痕も、レーザー溶接なら埋める事が可能です。
もう1件は、文字盤の脚付け修理です。文字盤のガタつきは比較的散見される不具合ですが、この場合は大抵文字盤の裏側の脚が折れ、不安定な状態になっています。よく見られる脚付け修理は「両面テープによる接着」ですが、レーザー溶接であれば両面テープと比較にならないほど強力に接着・補修することが可能です。
千年堂はこれからも修理金額は当然のことながら、技術力向上・設備拡張やお客様への+αのサービスを常に考え、時計修理なら千年堂を選んで頂けるよう、これからも邁進いたします。
※レーザー溶接機を使用した外装部分のみの限定修理は、申し訳ございませんが受付しておりません。予めご了承ください。
千年堂理念
「時計を大切にする“あなた”の一生涯のパートナーとして、最高の時計修理・オーバーホールサービスを提供し続けます。」