針と文字盤の夜光劣化について、修復方法を解説。

時計の針や、文字盤のインデックスには、夜光塗料(蓄光塗料)が施されており、
暗い場所での時刻表示を見やすくされています。

ところが、この夜光部分は紫外線や経年により劣化して、
黒ずんできたり、光らなくなったりしてきます。

特に針の夜光に関しては、劣化すると変色だけでなく、ヒビや穴が生じる事があります。

ヒビや穴が生じると、その欠片が文字盤上に落ちて、
文字盤の針の中心部に入り込み、動作に不具合を引き起こす恐れがあります。

それを避ける為に修復方法として行なうことは、主に以下の3点です。

・針の交換
・夜光塗料の塗り直し(夜光再生)
・夜光の補強

それぞれを解説していきますと、まず新品の針の交換ですが、
劣化した夜光が綺麗になるだけでなく、
針自体に生じていたキズやクスミ、腐食なども綺麗になる為、最善の修復方法になります。

しかし、針そのものは一般流通が少ない為、入手が難しく、
針交換を行ないたくても、行えないのが大半です。

針の交換が行えない場合は、
次に夜光塗料の塗り直し(夜光再生)が修復方法として挙げられます。

夜光塗直し前

一部の針のみ行えるものですが、
劣化した針の夜光を落とし、新たに夜光塗料を塗り直すことで夜光を綺麗にします。

その反面、針の夜光塗料の調合具合もありますが、
これまでの夜光の色と若干変わったり、
文字盤の夜光の色とのバランスが変わってきます。

夜光塗直し後

夜光再生も行えない場合は、夜光の補強を行ないます。

針の裏面から補強剤を塗布し、夜光のヒビや穴の悪化を抑えます。

補強ですので、すでにあるヒビや穴、夜光の変色はそのままになります。

文字盤の夜光の修復に関しては、針と同様に文字盤交換が最善ですが、
文字盤もほぼ一般流通しておらず、入手が困難です。

文字盤の夜光の塗り直しも、部分的には難しく、
文字盤再生(リダン)が可能な一部の時計に限られます。

針や文字盤の夜光は経年により劣化し、修復も難しいものになりますが、
夜光再生や補強を行なえば、永くお使いいただくことが可能になります。

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