「腕時計の時間が2~3分遅れてきた」
「時刻が早くなったり遅くなったりする」
「気づいたら時間がちょっとずつズレてきている」
時計にまつわるこんなトラブルを経験したことはありませんか?
実はコレ、磁気が影響している可能性があるんです。
こんにちは、時計修理の千年堂の田中です。
今回は腕時計の天敵である「磁気」についてお話しようと思います。
私たちが腕時計を扱うときにどんなシーンで磁気を気をつけなければいけないか、また磁気帯びをチェックする方法などについてもお話します。
磁気帯びの影響とは?
磁気の影響を受けると、時計が進んだり遅れたり、止まったりします。
磁気が精度を狂わせ、正確な時刻を刻めなくなるのです。
これは機械式時計に限ったことではありません。クオーツ時計でも時計に強い磁気が当たると、精度に狂いが生じ、時計が正確な時間を示さなくなります。
腕時計はデリケートな精密機械なので「磁気」には細心の注意を払わなければいけません。
身近にある磁気の危険
時計が磁気の影響を受ける原因は身近にたくさんあります。
- スマートフォン
- スピーカー
- イヤフォン
- カバンのマグネット
- テレビ
- パソコン
- 電子レンジ
etc…
腕時計を外したときにこれらの側に置いていないでしょうか。
携帯電話の近くに置く、パソコンやテレビの横に置く、またはバッグの中に一時的にしまってマグネットの留め具に近づけるというパターンも考えられます。
一見すると身近な行動であっても磁気帯びのリスクがある行動です。
では対策としてどのくらい離せば磁気の影響を受けないかというと、5cm以上離せば問題はないでしょう。
磁気帯びを確認する方法
●プロが行う専門的な検査
磁気帯びの検査には、時計のリューズ部分を磁気測定器に当てて磁気を計測します。
<磁気帯び検査の一例>
この検査によって時計に強い磁気が検出された場合、脱磁器を使用して脱磁処理を行います。
●自宅でできる簡易検査
時計が磁気帯びしているかどうかを調べるだけなら自分で確認できます。
方位磁石を時計に近づければいいのです。
時計のリューズ部分を方位磁石に近づけます。
もし近づけて方位磁石の針が動いてしまうのであれば、時計が磁気帯びしている可能性があります。
この方法であれば自宅でお手軽にできるのでぜひやってみてください。
磁気を抜く「脱磁処理」の方法
もし時計に磁気帯びが確認されたら、脱磁処理を行い磁気抜きをします。
時計修理技師が使用する脱磁器には、時計を乗せるだけで脱磁するタイプや時計を脱磁器にくぐらせたりするタイプがあります。
<脱磁器と脱磁処理の一例>
この作業には専門機器が必要になるため、時計修理のプロに依頼しなければいけません。
また時計の不調は磁気帯びだけが原因とは限らないので、しっかりと原因を特定する意味でもプロに預けるのをオススメします。
もちろん千年堂でも対応しております。費用が気になる、修理可能か相談したい、などありましたらまずはお問い合わせいただけると幸いです。
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