時計修理の千年堂です。
機械式時計は、とてもデリケートな取り扱いが必要な製品の為、守るべきルールや作法が多いです。
今回はその中の一つ、日付(カレンダー)操作の一般的なルールについてご紹介します。
※各モデルによって操作方法が変わってきます。詳細は各モデルの取扱説明書を参考ください。
当社に修理を依頼されるお客様の中には、このルールを知らずに、
時計内部の部品を破損させてしまい、修理を依頼されるケースもあります。
まず、時計のモデルによっても異なりますが、
日付(カレンダー)が付いたモデルの場合は、
日付の操作をしてはいけない時間帯というのがあります。
その時計の時針が、「午後8時から午前4時までの間」を指している時間帯です。
通常、午後8時から午前4時までの間は、
日付を変更する歯車が動作準備に入る状態です。
この時間帯以外にカレンダー操作を行うと、
日付送りの歯車の部品を破損させてしまうおそれがあります。
その為、日付操作の際には、この時間帯を避けなければなりません。
日付を変更する際には、針を回し、時間送りで日付を変更するか、
または、一旦、その時計の時刻を午後8時から午前4時以外の時間に合わせてから
日付を変更し、その後、時刻を合わせるといった作業が必要となります。
またムーンフェイズのモデルの場合は、
午前、午後共に時針が7時から12時の間の時間を指している時間帯は、
修正ボタン(カレンダー、及び月齢用)を押してはいけないものもあります。
時針が真夜中を越える様に動かして日付を合わせるとすると、
日付とムーンフェイズ表示が同調しないおそれがあります。
カレンダーや、ムーンフェイズの操作方法については、時計モデルにも異なりますので、
お手持ちの時計についてご存じなければ、時計の説明書で確認されてみてはいかがでしょうか。
時計をたまにしかご使用されなかったり、月末が30日までの月などの際は、
ご自身で日付変更操作を行う必要があるので、
必ずこのルールを守って日付変更を行いましょう。